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強い日差しの下、東京・銀座の歩行者天国を歩く人たち=2025年8月3日午後3時58分、竹花徹朗撮影

 群馬県伊勢崎市で国内の観測史上最高となる41.6度を観測するなど、危険な暑さが続いています。熱中症への警戒が必要です。何に注意すべきなのか。朝日新聞で5月に配信した、救急医学が専門の一般社団法人「臨床教育開発推進機構」理事、三宅康史医師へのインタビュー記事を、一部改変してお届けします。

 ――熱中症の症状は?

 めまいや失神、大量の発汗、頭痛、嘔吐(おうと)、高熱……。症状は数多くあります。そして、これらはほかの病気にも当てはまる症状です。

 そういう意味では、症状に注目するよりも、「暑い環境に長くいて、その後生じた体調不良」があれば熱中症の可能性があると考えたほうがよいでしょう。

 冷やすと改善がみられることが多く、これは感染症との大きな違いです。

 ――リスクのある人は?

 子どもや高齢者、糖尿病や高血圧、精神疾患などの持病のある人、スポーツ選手、肉体労働をする人などが挙げられます。周囲の目が届きにくい独居の人、エアコンを使えない経済弱者なども該当します。

 糖尿病の人は高血糖で多尿になりやすく、高血圧の薬には利尿作用があるものもあり、脱水になりやすいことにも注意が必要です。

 体から水分や塩分が失われ、脱水の状態になると、体温をうまく下げられなくなり、熱中症のリスクが高まります。

 こうした持病のある人たちは、血圧や脈拍、体重などを毎日メモする習慣をつけ、定期的な受診の際などに、脱水の傾向がないか主治医に確認してもらうことをおすすめします。

 ――大阪・関西万博も話題です。大きなイベントに出かける際の注意点はありますか?

 たとえば、両親に幼い子ども…

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